神の子どもたちはみな踊る
村上春樹は苦手。
過去に1度か2度読んだのだけど、全くはまらなかった。
同じように苦手と云っていた友人が、「これは読みやすかった」と貸してくれたのだ。
イチ押しは、同時に貸してくれた『レキシントンの幽霊 (文春文庫)』の方だった。
どちらも短編集。
確かに、勝手に決めつけていた村上春樹のイメージとは少し違った。
でも、苦手意識は無くなったけど、ドンピシャではなかった。
しかし、2冊を読んだ中で、ものすごく心に引っ掛かる作品に出合えた。
『神の子どもたちはみな踊る』に収録されている『タイランド』だ。
“身体の中に白い堅い石が入っている”ことが、自分のことのように思えたのだ。
電車での移動の時間潰しに読んでいて、思わず手が止まった。
身体の中を電気が走ったようだった。
私も、この石をのみこんでくれる緑色の蛇が夢に出てくれるのを待っている。
ほかの作品も面白かったけれど、この作品だけを取り出しておきたいと思った。
古本屋で探してみよう。