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街場の戦争論

街場の戦争論 (シリーズ 22世紀を生きる)

街場の戦争論 (シリーズ 22世紀を生きる)

 

ちょっと物騒な感じのタイトルだけれど、著者の「街場の...」シリーズの一冊。
昨年春に2/3ほど読んでいて、先日再開し読了しました。
わたしにとっては難しい話題・表現もあるのだけれど、面白い本でした。

 

前半は政治の話が多かった記憶がありますが、後半は帯にある通り「想像力の使い方」の話。
「少しだけあとがき」の項を読んだら、端的に書いてありました。

この本に副題をつけるとしたら、たぶん「想像力の使い方」というものになるのではないかと思います。論じられているトピックは政治のことや経済のことや組織論のことですけれど、読み返してみると、どの論件についても、僕が訴えているのは、「想像力を広く深く使う」ということでした。当面する問題に取り組むとき、僕がよく採用するのは、「まったく違う文脈の中で眺める」というやり方です。

(中略)

「僕が見ているようにみんなも見るべきだ」というようなことは求めておりません。ですから、「そんなものが見えるはずはない。オレには見えない」と言われても「そうですか」としかお答えのしようがない。ただ、「僕にはそう見えた」というだけの話です。でも、僕は「こんなふうに見えた」ことで、少し息がつけた。窒息感から解放された。そのときの「ほっとした感じ」を読者のみなさんにも経験してほしいと思います。

 

内田さんは、合気道の道場「凱風館」を主宰していらっしゃいます。 
そういう情報のせいか、読んでいて、“身体からの言葉”というのをイメージしました。

 

この本に関心を持ったのは、政治の状況もあります。
この本が発売されたのは2014年秋ですが、今も続いている“みんな同じ方向を向かされようとしている”感。
平和を理念としつつ、戦争や紛争に近づこうとしているように見える状況。

その理由について、内田さんは“経済成長です”と書いてます。
あ、やっぱり。
それで得する人はごく一部なのに、なぜ支持されてしまうのか。
それに乗っかれば、なんとなく自分も得するように感じるからなのかしら。
というか、損したくない感じ?

理解できないのは、自分が少数派だからなのかしら。