安西水丸 青山の空の下
今年亡くなってしまった、イラストレーター安西水丸さんを特集したムック。
特に「好き」と意識していたわけではないけど、「好きだと思って」と知人から貸してもらった。
面食いなので、かっこいいなぁとは思っていた。
水丸さんの仕事、水丸さんの言葉、水丸さんと村上春樹さんの対談、水丸さんへの言葉など。
付箋を貼った言葉。
水丸さんは、自分が「いいなァ」と思う絵を「いいなァ」と思えるまで描いて、「いいなァ」と思えたところで仕上げていたんです。(南伸坊さん)
好きなものを大切にしなさい。それが自分らしさとともに幸せに繋がっていくでしょう。(水丸さんが仰っていた言葉。証言集より)
村上春樹さんの言葉も、水丸さんとの対談だから出てきたのかな、と。
だからなるべく本物だけ見てね、生きてゆきたいという気持ちはある。好い加減なものを見たくないなという気持ち。だからレストランに行って好い加減なもの食うよりは、自分で好きなものを作って食べる方がいいし、走ってる方が苦ではないのね。(1984年の対談の中で)
私が唯一持っている水丸さんの本は、自費出版のイラストレーション集。
真ん中の見開きに自筆部分があるのだけど、それには急須のある食卓らしきイラストレーション。
ムックの中にこんなコメントがあって、納得した。
ぼくは急須の形が好きでは。どこから見ても、とても芸術的な素晴らしい形をしていると思うんですよね。画題としても好きでよく描いています。(「村上朝日堂」について)
村上春樹さんは苦手なんだけど、このムックを読んで、水丸さんが表紙を描いている村上さんの本を買ってみようかなと思った。