ココチノの本棚

ブログ「ココチノ」管理人の読書ブログ

計画と無計画のあいだ

読みたいと思いつつ、単行本の時にはなぜか手を出さなかった。
文庫になったと知ってから、できればネットではなく書店で買いたいと思い、やっと買えた。
結局、町の書店ではなく、チェーン展開の大型書店で見つけられた。

開いたら、一気に巻末の内田樹さんの解説まで止まらなかった。
ぐいぐい引っ張られながら、読んだ。
時に苦笑い、思わず声を出して笑ったり、ちょっとジーンと来たり...。
赤鉛筆を片手に、自分の心に引っ掛かった箇所に線を引き、ページの端を折りながら。

自分が引いた赤線の部分を中心に読み返す、これがまた楽しみ。
少し客観的に、赤線を引いた時の自分を振り返りながら、さらに掘っていく。

 

こんな読書を、ブログに記録するのはどうなんだろう?と思ったりする。
浅く読んでるだけで、自分の言葉として上手くまとめられないのは、みっともない?虚しい?

でも、先日参加した「ただようまなびや」で、翻訳家の柴田元幸さんは仰っていた。
読むことは常にクリエイティブ”だと。
すぐにノートに書き留めた。
創造する・創作することや人に対するコンプレックスがあるけれど、“読む”ことも一つの創造なんだなと思って、嬉しかった。

柴田さんの意図と違って私の中で変換されているかもしれないけれど、それも創造か。
同じ座談会の中で、小説家の古川日出男さんが“作品をどういう風に読んでもらいたい、解釈してもらいたいというのは無い”という内容を仰っていたと記憶している。
どう伝えようと思っても、100%そのままでは伝わらないものだろう。
小説や創作に限らず、ふだんのコミュニケーションやニュースに関してもだ。
だから難しいし、面白い。

 

さて、ミシマ社のことは、勝手に応援している。
何がきっかけで知ったんだろう、第一冊目の『本当は知らなかった日本のこと』も買っている。
本の収納スペースの都合上、もう手元には無いが。

熱を感じた本だった。

今年、この本の著者でミシマ社代表の三島邦弘さんにお会いする機会があった。
その時までは、ブログTwitter、『みんなのミシマガジン』からの情報だけだったけど、想像通りの印象の方で、思わず笑ってしまった。
書いていること、生き方にウソが無い、ということなのかな。