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きょう、反比例 編集者・竹井正和

きょう、反比例 編集者・竹井正和

きょう、反比例 編集者・竹井正和

 

出版社 フォイル代表 竹井正和さんの著書。
竹井さんを知ったきっかけは、奈良美智さん。
奈良さんの美術展へ要った時に買った作品集『Nobody knows』の出版社が、竹井さんが当時代表を務めていたリトルモアだった。

竹井さんの発言が面白いので、Twitterもフォローしている。
4月に京都へ行った時に寄った禅居庵は、竹井さんのTwitterで知ったのだった。

しかし、本を書かれているのは知らなかった。
はやかわAntique & Crafts内の小泉商会の本棚で見つけた。
あの小さい棚だから、出合えたんだろう。

 

思っていた通り、というか。
傷だらけになりつつも、編集者として本に関わってきた過去を知ることが出来た。
これからも、命がけで、全力で、作家と出版と向き合って行くんだろうと感じた。

かっこよく整理された文章とは違う、熱のようなものを感じる本だった。

 

冒頭の「僕はもう最初っからあきらめて生きていた。」という文章に、ギューンと捕まれた。
“被差別部落”という単語を見て、その言葉を初めて知った中学生のころの衝撃を思い出した。
その人自身がどうしようもない部分での差別って、人を記号として見てしまうような差別って、過去や外国の話じゃないんだって知ったのだ。